日本の自然塩4種を使い比べて — 海の精・粟国の塩・ぬちまーす・とっぺん塩

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塩は毎日使うものなのに、その違いを比べる機会は意外と少ない。精製塩と自然塩では味や質感が異なり、同じ自然塩でも産地や製法によって個性はさまざまだ。

今回は実際に使っている4種の自然塩を紹介する。


ざっくり比較

産地質感塩味向いている用途
海の精
やきしお
伊豆大島細粒・さらさら強くダイレクト調理中の下味
粟国の塩沖縄・粟国島やや粗めしっかりある
角はない
グリル・煮込み・スープ等
ぬちまーす沖縄・宮城島パウダー状穏やかでほんのり甘い仕上げ
とっぺん塩長崎・五島列島やや粗め穏やかでほんのり甘い下味・仕上げ

用途別 — どれを選ぶか

マクロビオティックに興味がある・下味をしっかりつけたいなら → 海の精やきしお

伊豆大島の海水を伝統製法で結晶化した後、高温で焼成したやきしお。未精製の自然塩を重視するマクロビオティックの世界でも定番として使われている。

塩味がダイレクトで力強いため、食材になじませる時間のある調理中の下味として使うのが向いている。


焼き物・煮物・汁物に使いたいなら → 粟国の塩

沖縄・粟国島の珊瑚礁の海水を、竹のタワーと木材燃焼の平釜で数週間かけて仕上げる粟国の塩。

塩味のバランスが良く、グリル、煮込み、スープなど幅広い料理に使える。


仕上げ・直がけに使いたいなら → ぬちまーす

珍しい空中結晶製法で作られるぬちまーすは、直ぐに溶けるパウダー状の塩。

味は穏やかでほんのり甘く、角がない。素材の味を邪魔せず引き立ててくれる。
おにぎり、刺身、天ぷら、ゆで卵、トマトなど、仕上げに一振りするだけでいい。


毎日の料理に万能に使いたいなら → とっぺん塩

長崎・五島列島で太陽と海風だけを使ってゆっくり作られるとっぺん塩は、4種の中で最も穏やかな塩味。そのまま舐めてもしょっぱくない。
野菜炒め、焼き魚、目玉焼きなどシンプルな料理に幅広く使え、我が家で一番出番が多い塩。

入手しにくい面があるが、見つけたら手元に置いておく価値がある。


数字で見る

ナトリウム相当量マグネシウムカルシウムカリウム
海の精
やきしお
93.98g760mg430mg260mg
粟国の塩73.4g1660mg250mg480mg
ぬちまーす75.5g3360mg700mg970mg
とっぺん塩93.3g270mg430mg53mg

数字を並べてみると、いくつか気づくことがある。

粒が細かいほど口の中で早く溶け、塩味が強くダイレクトに感じられる。粒が粗いほどゆっくり溶け、穏やかな印象になる。そして、にがり(マグネシウム)が多い程、複雑でまろやかな味わいに近づく。

その理屈で言えば、海の精やきしおは納得がいく。
細粒で高ナトリウム、塩味はダイレクトで力強い。

ぬちまーすは4種の中で最もマグネシウムが多く3360mg、ナトリウム相当量は75.5gと低め。パウダー状の質感なのに、味は穏やか。
ミネラルの多さと低ナトリウムがその理由だと思う。

粟国の塩は説明が難しい。マグネシウムは1660mgと高く、粒はやや粗め、ナトリウム相当量は4種の中で最も低い73.4g。
数字の上では最も穏やかな味になるはずなのに、4種の中で2番目に塩味が強く感じる。理由は分からない。

そしてとっぺん塩。ナトリウムは93.3gと高く、マグネシウムは低め、粒の大きさは粟国と似ている。どう考えても一番塩味が強くなるはずなのに、4種の中で最も穏やか。理由は分からない。
それでも一番よく手が伸びる塩。


終わりに

4種とも伝統的な製法で作られた日本の天然塩だが、質感、塩味の強さ、向いている料理はさまざまだ。

まず試すなら、粟国の塩かぬちまーすがとっつきやすい。
粟国の塩は幅広く使え、ぬちまーすは仕上げの塩として違いを実感しやすい。

どの塩に手が伸びるか、なぜそれを選ぶのか。
意識し始めると、どれも同じとは思えなくなる。

たかが塩、されど塩。

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